第12章 復讐の始まり
「はぁ〜、つかれたぁぁぁ」
私は部屋に入るなり大きなベッドにダイブした。
昇給して幹部用の大きな部屋が用意されたのだが、ホテルの一室のようで落ち着かない。
幹部初日はタナトさんの後ろについて仕事内容をひたすら覚えていたが、思った以上に父と接触する時が多かった。
2週間分の父の予定を頭に入れたし、今日の夜は作戦練るかな…
なんて考えていたら戸をノックする音が聞こえた。
返事をすると戸が開き、入ってきたのはシルダさんだった。
「シルダさん、どうしたんですか?」
慌てて起き上がり服のシワを払ってからそう言うと、シルダさんは一枚の紙を取り出した。
「幹部祝いに一杯どうだ〜?もちろん俺のおごりだ」
紙は外出許可証で、どうやらそのために取ってきてくれたようだ。
「おお、いいですねっ!…でも1つだけ仕事残ってるのでそっち片付き次第行きますね!1時間で終わります」
「そんぐらいなら待っててやるよ。ついでにお前用のスーツとかも買うぞ!もう俺が世話してやれないからな!1時間後に下で待ち合わせなっ!」
そう言うと、嬉しそうに鼻歌なんか歌いながら彼は出ていった。
予定変更、ルータスに手紙を書かなきゃ。
私は急いで机に向かい、決行の時が来たのを知らせる手紙を書く。
ルータスのみんなへ
幹部になり、父と接触する機会が増えたのでもういつでも仕掛けられます。
他の部隊が帰ってくるまであと12日なのでその日までにケリをつけなければなりません。
もう一枚の方に父の予定を書いたので狙いそうな日の相談と作戦を一度練りましょう。
明日の18時に******に来てください。店ではアルフレッドと名乗ってくださいね。
万が一のこともあるので変装お願いします。
とだけ書いた私は手紙を服の下に入れて、明日の外出許可取ってからラフな服に着替えて、シルダさんと合流した後に前の酒場へと向かう。
「あ、俺ら酔う前に買いたいもんあるからお前ら先行っててくれ。30分後ぐらいにはそっち行くから」