第12章 復讐の始まり
「顔色が悪すぎだ…本当に解毒しなくても大丈夫なんだろうな?」
「大丈夫です、体液が循環したらすぐに抜けますよ。でもしばらくは動けません、ご迷惑おかけします」
そういうと、私の頭を撫でて優しく笑うとまた宿に戻っていった。
それからすぐに向かい側の座るところにタナトさんが寝かされて、私が寝ているところの端にシルダさんが座ると馬車は発車した。
「ラリー、悪いが出来事教えてもらっていいか。2人ともこの状況じゃ報告書かけないだろ?」
そう言われたので私はあったことを全て話す。
時々、タナトさんが追加の情報を言ったりしてくれたので報告書はできそうだ。
「さすがのお前でも今回の毒が効いたという事はかなりやばかったんだな。…というかお前絶対脊椎損傷とかしてるよな、体の麻痺が抜けた後に違和感あれば言えよ」
そういうと彼は紙にペンを走らせていた。それを眺めていると再び眠気が襲ってきた。
タナトさんもどうやら眠っているようなのでこの毒にはそういう作用もあるのかもしれない。
「シルダさん、すみませんが少し寝ますね」
そして、私は彼のおやすみを合図に再び眠りに入った。
次に私が目を覚ました時、最初に見えたのはなんかジャガイモみたいなものが私を覗き込んでる光景だった。
それからだんだんと視界がはっきりしてくると、ジャガイモの正体はシルダさんやトーンさんなど最近仕事をしたみんなだった。
「おいラリー、大丈夫か⁉︎」
トーンさんの声をはじめとするその声でみんなが私を心配してくれた。
私も話そうとしたがうまく声が出ない。
どうやら毒が体に回ったようだ。ずっと寝ていたせいで体液の循環が遅れて悪化してしまった。
さすがにこのままだと死にはしなくても後遺症が残る可能性がある。
私はなんとかシルダさんに伝えるとたくさんの水を持ってきてくれた。
だが、すぐに私に問題が降りかかる。
水をたくさん飲めば、もちろんトイレに行きたくなる。というかそれが目的なのだが私は体が麻痺してるせいで自分ではいけない。
となると誰かに連れて行ってもらわないといけないが、そうなると女だとバレてしまう。
背に腹はかえられない、命を優先しよう。