第12章 復讐の始まり
「はっ、なに言ってんだか…。1番最初、お前恥ずかしい格好にさせられたくせに〜」
「あっ、お前それは忘れる約束だろうがよぉぉ!」
なんてふざけていたらあっという間に時間が過ぎてしまい、俺は部屋を出た。
シルダはいい奴すぎてな〜、自分が傷つくのを放っておきすぎなんだよ。まったく…。
なんて思いながら俺は部屋に戻った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
アオメside
「んんっ…うううっ……」
ひどい頭痛を感じて上半身を起こすと心配そうな顔をしているシルダさんがいた。
「ーあ、シルダさん…その、さっきはすみません。感情的になってひどいこと言ってしまいました」
ベットに額がつけて謝ると、頭をあげるように言われた。
「お互い様だからいいんじゃないか?俺も無理強いして悪かった。本当にごめん。許してくれるか?」
「もちろんですっ!…俺はいい先輩を持てて嬉しいです。心配してくれて…ありがとうございます」
そういうと優しく抱きしめてくる。その背中はほんの少し震えていた。
「悪い…お前に嫌われてると、思ったのに…いい先輩とか…言ってくれ、てっ…めっちゃ、うれじぃぃぃぃ」
そう言って号泣してくるから嬉しい反面、少し面白くて笑ってしまった。
それからシルダさんが泣き止んだのは10分後くらいだった。
「あー、そろそろ寝なきゃだな。てか、寝るぞ!ほれほれっ」
私を壁際に寄せて、シルダさんもベッドに乗ってくる。時計を見ればもう1時だった。
「ずっと起きててくれたんですか?」
「まぁな、起きた時に1人だと寂しいし、謝らなきゃと思ってたしな。倒れる前に気づければなぁ、過呼吸になりやすいのか?」
過呼吸?と聞き返した後、過去を振り返るがそもそも過呼吸になったことがない。
それなのになったのはものすごく気が動転したのだろう。
でももう平気だから全然大丈夫だ。
「おやすみラリー」「おやすみなさいシルダさん」