第12章 復讐の始まり
アオメside
私がトーンさんの部屋から出ると丁度廊下を歩いていたトーネルさんに出くわした。
「よっ、お疲れさん!今回の任務も活躍したようだな。夕食の時ビックリしたぞ」
「お疲れ様です!まさかあんな血まみれになるとは思ってませんでした。今からもう寝るんですか?」
その問いに彼は頷く。
昼頃あんなことをしたばかりだから気まずさは否めない。
「ごゆっくり休んでくださいね。明日も頑張りましょう!」
早々に別れようとして彼が来た方向とは真逆に歩き出す。
さすがにバレないためとは言え、あんなことしたのはまずかったかな。
なんて考えている時だった_____。
急に右腕を掴まれたと思ったら、後頭部を抑えられてそのままキスをされた。
「ーんっ、んぅぅっ……んんっ!!……」
キスも段々濃厚になっていき、頭が白くなっていく。
さっき私が攻めた時と同じようにしてるっ…
息がお互い苦しくなり一瞬だけ離れるが、すぐに彼はまた顔を近づけてきた。
「だ、誰か、来ちゃいます…トーネッ、んぅっ…」
話してる途中にも関わらず、彼は私を壁に押し付けてまたしても激しいキスをしてきた。
しかしこのままだとうっかり流されて部屋にお持ち帰りされる、なんてこともありえてしまう。
私はお昼頃にやったのと同じように彼の身体をグルンと回して、いわゆる壁ドン返しをした。
私の方が背が低いから少し攻めづらいが、なんとか彼の弱いところを探しだして攻め続けた。
「はぁはぁ…いきなりどうしたんですかっ?」
彼の目がだいぶトロンとしてきたのをみはかって私は口を離す。なんだかひどく体力を失った。
「…俺、お前が好きだ。男同士だけど、でもっ「トーネルさんっ!」
清々しいほど直な告白をしてきた彼の口に指を当てた。
「俺はいろんな人から恨まれているのでいつも狙われています。だからいつ死んでもいいようにしてたいんです。
もし死んだ時、想ってくれていた人を傷つけたくはないんです。
何が起こるか分かりません。もしかしたら俺とあなたは戦うかもしれないんですから…」
自分でも都合の良い言い訳だとは思っている。
でもこうでもしないと、作戦を決行した時に彼をひどく傷つけてしまうのだ。