第12章 復讐の始まり
「…俺の兄、アオメに殺られたんだ。3年前かな、遺体も見つからなかったけどアオメの標的にされてたって言うのは知人から聞いた。
機会があるなら是非、俺も一発はぶん殴りてぇな。
ま、あいつは兄の顔も名前も覚えてないだろうけど」
壁の方を見ているので彼がどんな顔をしているかは分からない。
だが私がアオメだとバラした時、彼は今まで仲の良かったからと言って戦わないなんてことはないだろう。だからこちらも本気で殺しにいける。
「殴ってください、絶対。気がすむまで、全力で」
アオメの正体が誰であろうと…と、私は心の中で思う。
それからしばらくした時、部屋がノックされる。
「あ、トーンさんどうしました?」
「お前らの洗濯物持ってこようとしたんだが無理だった。悪いが取りに行ってくれるか?」
私はそれを快く引き受けつつ、彼らが持つ洗濯物を運ぶのも手伝う。
「じゃあ、ちょっと洗濯物取ってきます」
椅子から立ち上がり彼の返事を聞いた私は部屋を出た。
トーンさん達と別れて長い廊下をゆっくり歩いていると、前から誰かが歩いてきた。
「あ、ラリーじゃんっ!お疲れ様〜!君の活躍は聞いてるよんっ」
ニコニコと笑いながら肩を叩いてくる彼、エドワードさんは幹部の1人である。
「お疲れ様です、エドワードさん。まだまだですよ。さんに追いついて強くなりたいんですけどね」
「なに言ってんのさ、会長もラリーのこと気に入ってるしきっとすぐ幹部になれるんじゃない?
明日入ってくる任務結構大変なんだけどラリーに大事な仕事を回してあげる!しっかりやるんだよ〜。僕としてもラリーが幹部に来たら仕事減って楽そうだし〜。じゃねっ!」
そう言って彼は手を振りながら行ってしまった。
彼もずっと笑ってるけどやばそうだ。
落ち着いてやらなきゃ私が殺されるな。
なんて思いながら私は洗濯物を取ってシルダさんの部屋に戻った。