第12章 復讐の始まり
次は接近戦か…。あと20人いけるかなっ!
その銃を捨てると、敵地に向かい真っ逆さまに風を切るように飛び降りる。
受け身を取りながら、敵地に転がり腕が届く範囲にいた敵を斬りつける。
短刀なので一撃もなかなか難しく、結構時間はかかるがあと5人ほどだ。
「おい、ビビってんのか?…来いよ?」
手招きをして挑発的な笑みを浮かべと、思いっきり突進してくる。
距離が1mほどになった瞬間、2番目のやつの方に短刀を投げる。
その短刀を目で追ってしまった先頭のやつはミゾを狙い蹴りを入れたあとすぐに短刀で刺す。
ぷしゃぁっ、と血の噴水を浴びながら他の3人も殺して全員生き絶えたのを確認して馬車に戻った。
「ただいま戻りました、ご無事ですか?」
馬車の戸を叩いてから中に入ると、一瞬の沈黙の後マットさんが笑い始めた。
「アハハッ、結局血だらけじゃん〜!てか、本当に敵来てたんだね〜」
「あ、はい。30人ぐらいいたんですけど全員殺しといたので情報は漏れないと思いますよ」
そう言いながらジャケットを脱いだがやはり中のワイシャツも真っ赤であまり意味がない。
「たった8分で30人を1人で片付けたのかよ…。マジで敵にしたら瞬殺だな」
トーンさんはそう言いながら肩をすくめて笑っていた。
「やり手じゃなかったので誰でもできますよ。…にしてもすっごい鉄臭いですね、すみません」
クンクン、と匂いを嗅ぐと独特の生臭いにおいが顔をしかめた。
その後は何事もなく無事に基地に着くと、任務から帰って来ていたシルダさんには笑われてしまった。
ちょうど夕食時期でみんな食堂にいたのだが帰還と結果報告が最優先なので血だらけのままそこに入っていく。
「おい、ラリー。お前派手な色のスーツ着てるな!」
「さっき染めてみました、似合いますかね?」
なんて小声で会話した後、1番前にいる幹部のところまで歩く。
ヒソヒソと聞こえる声と私をみてくる視線が痛かった。