第12章 復讐の始まり
「無事に任務達成。ラリー、お疲れさん」
「トーンさんもお疲れ様でした。なかなか時間がかかりましたね。でも今日は血を浴びてませんよ?」
笑顔でそう言いながら、マットに伊達眼鏡を返している。
つくづくこいつが恐ろしく思える。
的はおよそ縦横1cm、4mの距離から狙いど真ん中にあてた挙句、かけた時間は1秒にも満たない。
「あれもう少し条件悪くても撃てたか?」
「多分撃てましたが、自分の腕を過信しすぎないようにしてるのでなんとも…。
今日のは比較的、的もほとんど止まっていたので大丈夫ですがね」
そう言った後、彼は目を瞑った。どうやら眠ってしまったらしい。
「ラリーってよく寝るよな」
「しかもめっちゃいい寝顔してるよね、仕事中はめっちゃ怖いけど。ほんっと敵じゃなくてよかった〜」
「それは分かるわ。トーンさんと戦った時なんて自分より二倍はある敵に向かって笑ってたもんね」
なんて話しながら基地に着くまで30分ほどのところまで来た。
窓にもたれかかっていたラリーがバッと起きたと思ったら、一点の壁を見て集中している。
「ラリー、どうかしたの「…敵襲です。人数は多いけどやり手じゃない。俺1人で足ります。馬車を急いで影に隠してください。10分後に戻らなければ先に行ってください」
早口でそう言うと馬車の扉を開けて、走行中にも関わらず飛び出た。
受け身を取ったようで、すぐに立ち上がると進行方向とは逆に走りだした。
「なんで敵襲が来たと分かるんだ?」
「分からない。だがとりあえず隠れるぞ」
アオメside
眠っていたら突然、微弱な殺気を感じた。
それはだんだん近くなり、その度に強くなる。
馬車ご右に曲がれば、殺気も右に曲がるそんな感じがして確信に変わった。
事情を伝えて、馬車から飛び降りて自ら敵につっこむ。
500m先にやはり馬車の大群がいて、明らかに殺気を放っていた。
「おい、あいつマスターの近くにいた奴だぞ!殺せえええええええ!!」
一番先頭の馬車に乗ってた奴が叫んだ途端、銃弾の雨が降る。
木の陰に隠れてやり過ごし、そのまま木に登って上から人々を銃で狙う、しかし弾数にも限りがあり10人殺したところで弾切れとなった。