第12章 復讐の始まり
ルータスside
「クレナッ、ミカゲ、部屋に来てください!!」
マスターのところに行ってたメルロさんが戻ってくるなり、僕たちは部屋に呼ばれた。
盗聴の心配があるので不自然じゃない限り、僕たちは紙に文字を書いて会話をしている。
「アオメさんから手紙が届きましたよ。各自に来ているので見てください」
そう言って、渡された手紙に書かれていた字は紛れもなくお姉ちゃんの字体だった。
ミカへ
元気?作戦がうまくいって今は商会に加入できたよ。ありがとう。
手紙をあげた理由はその報告ともう1つ。
ステラさんの体の一部を発見した。殺したのはやはりタナトだった。一緒に入れてある録音機聞いて。その時の会話が録音してあるから。
どうか気を落とさないで。
幹部になり、会長と接触する回数が増え次第殺すつもりです。いつになってもいいよう準備しておいてね。
P,S.
まだ女だってバレてません。心配しないで。
アオメより
手紙を読み終わった後に、録音機を起動して1番最小の音で聞く。
雑音が、「ラリーです、タナトさんいらっしゃいますか?」という言葉から会話が始まった。
それからのタナトの言葉は実にひどいものだった。お姉ちゃんが言っていた一部というのを見たのだろう。吐きそうな苦しそうな声を出していた。
機械越しに聞いていても気持ち悪くなるので、実際に体感したお姉ちゃんは辛かっただろう。
なんとか最後まで聴き終わり、他の人に回すその間に他の人の手紙を覗いた。
他の2人にはキングダム商会に入ったことから始まっておりそこでも2人は驚いただろう。
あと書いてることはほとんど同じだったが、メルロさんには手紙の他にお姉ちゃんがまとめた商会のメモも入っていた。
大体の人数や、力のある者の名のようだ。
2人とも聞き終わり、顔を真っ青にして立っていた。
クレナさんは拳を固く握り締めて、悔しそうに顔を歪めていた。
言いたいことはたくさんあるが、この状況じゃうっかり口に出してお姉ちゃんを危ない目に合わすわけにもいかない。
ステラさんを戦利品だなんて絶対に許せない。
「準備をしましょう、いつでも戦えるように」
メルロさんが紙にそう書くと、僕たちはうなずき合って離れに向かった。
待ってて、お姉ちゃん。絶対に死なないでね。