第12章 復讐の始まり
どこからか鳥の鳴き声が聞こえ、私は目を覚ます。
目を開けた途端、シルダさんと目があった。
「…なんでこっち見てるんですか?おはようございます」
「可愛い寝顔だなって思って、おはようございます」
寝ている間ずっと私を抱っこしていたみたいで、未だに腕が体に巻きついている。
「本当にお前細いよな、なのに俺とシグを抱っこして…」
「え、なんでそれ知ってるんですか!というか、起きてたなら重いから歩いてほしかったんですけど」
「振動で一瞬目を覚ましたけど、すぐに寝ちゃったから無理だわ〜」
イヒヒ、と笑うと私を抱っこしたまま布団を抜け出し立たされる。
「ちょ、ちょちょちょ!下ろしてくださ〜い」
「嫌だね、昨日は俺の服を脱がしてきたから今日は俺がやってやる!」
そこも起きてたのかよっ、とツッコミをいれたいがいまの状態がやばいことに気がつく。
ー女だってバレてしまうっっ!
「マジで、本気でやめてくださいいいいぃぃぅうわぁぁぁぁ!」
なんて言ってる間に押し倒されて、手を頭の上の方で押さえつけられてしまう。
抵抗していたが、ベルトを外されズボンを脱がされてしまった。
幸い男用の下着を履いているのですぐにはバレない。ついでに言うと、やはりもっこりしてないといざという時困るから布をいい感じに詰めていた。
「おお、いいもん持ってんなぁ〜」
なんてセクハラを言うもんだから、顔が赤くなったのを感じた。
「なぁ、今お前めっちゃエロい顔してるの気づいてますかー?お前が女だったら襲ってるな、いやこの際男でもいいから襲っちゃおうかな」
なんて言ってふざけて顔を近づけてきた。
「シルダさんのヘンターーーーーイッ!!!」
私も頭を勢いよく近づけておでこ同士をぶつけた。
「いってえええええ、めっちゃお前石頭だ」
頭突きを成功した私は、ズボンを慌てて履き後ろを向いて上も着替えた。
「やっぱウエストほっそいな。てか、なんで胸んとこに包帯付けてんの?」
さっきまで頭を抱えてたくせに、肝心なところは見ていたらしい。
「…アオメにやられました」
適当に言い訳をしながら、シルダさんに手を貸し立ち上がらせた。
「そうか…。1人で抱えるの大変になったら言えよ〜。さ、朝ご飯行くぞ」
私は頷いて付いていった。