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殺し屋が執事になってみました。【R18】

第12章 復讐の始まり


アオメside


シルダさんが先に玄関に行ったので慌てて、身支度をする。

顔を洗って涙を落としながら、見ていた夢を思い出す。

ルータスのみんなと楽しそうに生活をしていた、もちろんステラさんもいた。


ようやく仕事に慣れたと言うのに…もっと一緒にいたかったな。

なんて弱音を口に出しそうになりつつ、玄関に向かった。



「お待たせしました〜!」


私が行くともう全員揃っていて、あっという間に囲まれるとそのまま外に出る。


「よく眠ったか、ラリー?可愛い寝顔しやがって」

「話の途中で寝てすみません。おかげでいい眠りができました」


なんてふざけながら、森を抜けメインストリートを歩く。

街頭でライトアップされた街は昼間とはまた違う面影だった。


シルダさんたちの行きつけの店は少し歩いたところにあり、彼の行った通り料理はものすごく美味しかった。

私は一杯しかお酒を飲んでいないので酔ってはいないが、他のみんなはかなり顔が赤い。


「お待たせしました、いつも来てくれるお客様には特別ですよっ。おつまみにどうぞ」


そんな中で男の人が料理を持って来た。
ちょうど人数分あり、1つずつ口に入れる。


ーもしかしてこれはっ……


そう思った途端、シルダさん達が1人また1人と倒れるように眠る。

何か胸騒ぎがして、私も寝たふりをする。
ほのかに感じる殺気は素人のものだ。


「俺の母と父を殺しやがって…お前らも死ねえええええ」


急にそんな声が聞こえ、タイミングを見計らって後ろを向くと今にもナイフをトーンさんに振り下ろそうとしていた。

すかさず手を蹴りナイフを蹴り飛ばす。

店側も気づいたようで、客に店を出るよう誘導している。


「なっ、お前寝ていなかったのかっ!」

「あいにく睡眠薬は効かないんだ…お前は誰だ?」

できれば皆が食べる前に気づきたかったが、ビールの匂いなどで嗅ぎ取ることができなかった。


私はナイフを拾い、それを彼の首にあてながら聞いた。


「お前達が昼頃、強盗に入った薬屋の息子だぁぁぁ」


そう言いながら、闇雲に手や足を私に向ける。
そんな蹴りなんて到底当たるはずもなく、身体を押し倒す。


「悪いがこれも仕事なんだ。お前の両親が麻薬を売っていたようにな。向こうでまた仲良く暮らせ」



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