第12章 復讐の始まり
アオメside
シルダさんが先に玄関に行ったので慌てて、身支度をする。
顔を洗って涙を落としながら、見ていた夢を思い出す。
ルータスのみんなと楽しそうに生活をしていた、もちろんステラさんもいた。
ようやく仕事に慣れたと言うのに…もっと一緒にいたかったな。
なんて弱音を口に出しそうになりつつ、玄関に向かった。
「お待たせしました〜!」
私が行くともう全員揃っていて、あっという間に囲まれるとそのまま外に出る。
「よく眠ったか、ラリー?可愛い寝顔しやがって」
「話の途中で寝てすみません。おかげでいい眠りができました」
なんてふざけながら、森を抜けメインストリートを歩く。
街頭でライトアップされた街は昼間とはまた違う面影だった。
シルダさんたちの行きつけの店は少し歩いたところにあり、彼の行った通り料理はものすごく美味しかった。
私は一杯しかお酒を飲んでいないので酔ってはいないが、他のみんなはかなり顔が赤い。
「お待たせしました、いつも来てくれるお客様には特別ですよっ。おつまみにどうぞ」
そんな中で男の人が料理を持って来た。
ちょうど人数分あり、1つずつ口に入れる。
ーもしかしてこれはっ……
そう思った途端、シルダさん達が1人また1人と倒れるように眠る。
何か胸騒ぎがして、私も寝たふりをする。
ほのかに感じる殺気は素人のものだ。
「俺の母と父を殺しやがって…お前らも死ねえええええ」
急にそんな声が聞こえ、タイミングを見計らって後ろを向くと今にもナイフをトーンさんに振り下ろそうとしていた。
すかさず手を蹴りナイフを蹴り飛ばす。
店側も気づいたようで、客に店を出るよう誘導している。
「なっ、お前寝ていなかったのかっ!」
「あいにく睡眠薬は効かないんだ…お前は誰だ?」
できれば皆が食べる前に気づきたかったが、ビールの匂いなどで嗅ぎ取ることができなかった。
私はナイフを拾い、それを彼の首にあてながら聞いた。
「お前達が昼頃、強盗に入った薬屋の息子だぁぁぁ」
そう言いながら、闇雲に手や足を私に向ける。
そんな蹴りなんて到底当たるはずもなく、身体を押し倒す。
「悪いがこれも仕事なんだ。お前の両親が麻薬を売っていたようにな。向こうでまた仲良く暮らせ」