第4章 殺し屋が執事になってみました
「それでは早速、私たちの仕事を見てて頂きます。こちらに着替えてください」
メルロさんに渡されたのは紙袋だった。
中を確認すると燕尾服などが入っていた。
着替えなければならないので、みんなは部屋を一度出ると思っていたがその場でこちらを見ている。
ともなると私が移動するのか、と思いステラさんに聞いてみた。
「は?何言ってんだよ、男なんだから裸見られたところでどうってことないだろ?」
えっと、今この人男って…
確かに今の格好はウィッグを被っているし、胸をサラシで巻いているので女には見えないだろう。
しかしここで女だとバラしてもなんだか面倒なことになりそうだ。
着替えるしかないか…下着になるだけだからバレないだろう。
私は覚悟を決めて、先にズボンを脱ぐ。
長い丈のパーカーがパンツを隠してくれているから大丈夫だ。
それに上はシャツを着てるから多分バレないはず。
…にしてもなんでこの人たちは着替え中の人をガン見して沈黙してるんだよっ
なんか恥ずかしいんだけど///
そう思いながらも慌てて着替える。
「お前、白いし細すぎないか?よく生きてこられたな」
「でも凄い傷跡の数だね〜、歴戦の証だぁ!」
ステラさんの発言で女だと言うことがバレたかと思ったが大丈夫そうだ。
燕尾服を無事に着終わって白い手袋や懐中時計、そして拳銃も身につけた。
「お似合いですよ、アオメさん」
「それでは参りましょう」と言って私達は部屋を出た。