第12章 復讐の始まり
「やられたっていうか、渡した宝石っていうのは俺の目にハマってたものなんです。
かなり貴重なものなのでそれで許してくれるかな…と思いまして。痛くもないんですけど血は出てきちゃいますね〜」
なんて言ってると、シルダさんが戻ってきた。
「外出届だしたから3時間後行くぞっ!ラリー、お前は俺の部屋行って風呂入れよ、マジで鉄臭いから!服は出しといたから!」
そう言われたので、私はシルダさんの部屋へ向かった。
とにかく初任務は上手くいった、次にやることはステラさんの情報を集めてルータスに教えること。
風呂入る前に少しふっかけに行くか…
ートントントン
「ラリーです。いらっしゃいますか?」
戸を叩くと、中から低い声の返事が帰ってきたので開ける。
「お疲れ様です、タナトさん」
声をかけると、椅子に座って仕事をしていたタナトさんが目線もくれずこう言う。
「…何の用だ?くだらん話は聞きたくない」
そんな彼に「ルーコイドターキスのことなんですけど…」そう言えば、こちらを向いた。
話を促すように、顎で示してきたのでそのまま話し始める。
「移動中聞いたのですが、俺が恨んでいるやつが入っているその集団と闘ったんですよね。少しでも情報が欲しいのですが……」
「…あれか。来た奴らの名はステラ ローレンス、メルロ マロニール 、クレナ ヘンリル、もう1人は初めて見たが手馴れていた。
……1人は死亡。もう1人は重症。あとは軽傷だろうな。戦利品あるぞ」
話し始めたら止まらない、と言うのはこう言うことを言うのだろうか。
先ほどまで面倒臭そうだったくせにやけに生き生きしている。
「戦利品はな……これだっ!」
そう言って、彼は部屋にあるクローゼットを開ける。
ーーっっっっっっ!!!!!
「うっ、ぷっ…」
視界に入れたその一瞬で私は崩れ、床にきそうになる。
「おいおい、こんなんで吐くなよ。殺し屋ならこんなの当たり前だろ?」
そう言って、クローゼットからブツを取り出す。
やめろ…もう視界に入れたくない。…頼むからっ!
そう思う一方で、一度見開いてしまった目は閉じることができずに目があってしまった。
「いいだろ、これ? 俺が殺したステラ ローレンスの一部分だ。というか頭だな」