第12章 復讐の始まり
ステラさんがルータスの情報を…?
もし本当だとしたらみんなの命が危ない。
だがステラさんがみすみすと教えるはずがない。教えるにしても、それに値する何かがあるはずだ。
私はそれが何かを考えたが、これと言った答えは全く出てこない。
「ラリーはスペルタール出たあと何してたんだ?」
「俺は普通にフリーランサーとして生きてましたよ。と言っても上の方の任務やってたので知る人ぞ知る、って感じでしたがね」
それからシルダさんとシグさんは私にいろいろなことを聞いて来た。
「スペルタールのお前でもアオメって奴に敵わなかったのか?そいつもなかなかやるな」
「アオメってあの有名なアオメだろ?俺一回だけ見たことあるぞ!っても後ろ姿だがなぁ」
いつの間にか2人だけで話し始めたので、私はこっそり窓から見える景色を見ていた。
隣国まであと10分ほどのところまで来た。
お話に飽きたシグさん達は仲良く口を開けながら寝ている。
んー、だいぶ遅れてるからやばいなぁ…
懐中時計で示された時間は11:20過ぎ。
で、待ち合わせ時間か11:00。
馬がケガをしてしまったらしいが、すでに都市奥に来ていてすぐに他の馬車には乗り換えられなさそうだ。
なのでこれからもどんどん遅れる予定。
私は少し考えたあと、2人を起こさないようにしながら袋と銃を掴んで馬車を出た。
目的地までの地図を見る限り、馬車が通れる道で行けば15分かかるがもっと細い道で行けば5分ちょいで着きそうだ。
私は路地裏に沿って思いっきり走った。
人通りが少ない、いや、ないと言っていいほど不気味な路地の一角にあった家に着く。
扉を叩くと金髪で目つきの悪い男が入れてくれる。金髪2人、赤髪1人。どうやら今回の取引相手で間違いないようだ。
あきらかに取引用の家って感じで、家具もなんもないし手入れもされてない汚らしく空気の悪い家だ。
「君さ、時計読める?遅れすぎなんだけど」
初っ端からこれだ。まぁ、しょうがないけど。
「申し訳ございません。道中で少々問題が起きまして…。確認お願いします」
私が渡した血のついた袋の中を覗き、3人全員が頷く
「で?まさか言葉だけの謝罪じゃないよね?お詫びの品頂戴よ」
「おい、これ以上遅れたらボスに怒られるから行くぞ。かまうな」