第12章 復讐の始まり
「もう森を抜けるぞ、そこでシルダとシグとはお別れだ」
「あぁ、ラリーが来るの馬車で待ってる」
トーンさんたちの後を歩いていたが、この森ちゃんと決まったルートで歩けば結構抜けるのは簡単だ。
そうして、あっという間に森を抜けると私達は二手に分かれる。
「ラリー、ここから10分で着く。客がいても関係ない。ブツを見つけ次第全員殺せよ」
私がそれに頷くとあとは一切会話なく、私達とは対照的な明るく賑やかな通りを黙々と歩き続けた。
トーンさんが止まったのはそれなりに人通りがある小さな家の前。
薬屋らしく葉っぱと瓶の絵が描かれた看板がぶら下がっている。
「ここだ….×××通り×××番地、あってるな。行くぞ」
私達の顔をトーンさんが見回し、それに私達が頷くと戸を開ける。
それからはまさに地獄絵図でしかなかった。
中には風邪をひいて辛そうな子供も、老人も中よさそうな夫妻も沢山いた。
全員が訳がわからないままあっという間に、いや、あっと言う間もないまま人生を終わりを迎えた。
バンッ____。
最後の銃声と、短い悲鳴が聞こえたと思ったら店の奥から血を被ったトーンさんが片手に大きな袋を抱えてやって来た。
「ラリー、お前はとりあえず顔洗ってこい。一体1人で何人殺したんだ?1人だけ真っ赤だぞ」
なんて言われたので私は洗面所に行き、顔を洗った。
店にいたのは約10人、半分以上は1人で殺してしまった。
ふと洗面台にこの家の主達が使っていたと思われる歯ブラシやタオルがあった。
…別になんとも思わないけど。
スッキリした私はまた店の方へと戻った。
「ラリーはとりあえず俺のコート着て血を隠せ。他の奴らはなんとかなるな?」
そうして私達は1つ目の任務を終わらせ、裏口のほうからこっそり出てきた。
表には銃声を聞きつけた野次馬が群がっていたので、中の惨事はすぐにバレるだろう。
無事に広場に着いた私達はシルダさんたちのいる馬車の前まで来た。
「じゃ、ここでお前とはお別れだ。ちゃんと上にはお前のいい報告をしといてやる。あともしっかりやれ」
私に袋を渡したトーンさんは、他の人と共に森へと向かったので馬車に乗り込んだ。