第12章 復讐の始まり
「まぁ、いい。任務の説明に移れ。他の奴らは訓練か掃除でもしとけ」
そう言うと私達10人を残して、他の人はホールから出て行った。
「今回狙うのはここから1番近い街で働いてる薬屋の家族で、麻薬を盗む。
ここまでは簡単だが、その麻薬を隣国の奴らに渡さなければならない。そいつらがなかなかの短気だから気をつけろ。
盗むのがトーン、スグリで運ぶのがシルダ、シグだ。ラリーはどちらにも入れ。それで使えるかどうか判断する」
私達が返事をすると、続いて武器庫に案内された。
「ラリー以外は個々の武器を持ち出せ。で、ラリーお前は何の銃を使うんだ?」
武器庫には様々な武器があった。
拳銃や剣の種類もかなり多いので迷いそうになったが、使い慣れてる拳銃を見つけたのでそれにした。
「本当にそれでいいのか?扱いが難しいが…「はい、いつもこれを使っているので」
途中で端折ったのはルータスでも言われたからその先の言葉は分かってたからだ。
「そうか…。あと30分後に出るから各自準備しろ。シルダ、こいつの準備見ててやれ」
そんな感じで私たちはまた部屋に戻ると、シルダさんは私に次々と服を渡してきた。
「その燕尾服だと怪しまれるからな、普通の格好しとけ。お前、細いからなぁ」
んー、と悩みながら貸してくれた服を着るといくらか窮屈ではなくなった。
「ん、さっきよりはいいな。お前にとってはこれが試験みたいなもんだから本気でやれよ。
認められればそれなりに優遇されるし、過去にはいきなり幹部になったやつもいるからな。期待してるぜ!」
背中をポンと叩かれつつ、私達は1Fの玄関に集まった。
「じゃあ運び担当は広場で馬車に乗っとけ。ラリーが来しだい、出発しろ。で殺し担当の奴らは森を抜けたところに馬車を待たしてるから」
タナトが最終確認すると、私達に先ほど持った銃とは別の銃を渡された。
他の人たちは緊張の面持ちでそれを受け取る。
「ラリー、それには1発だけ球が込められている。….失敗した時点で自ら死ぬためにな」
そう言ってから私に銃を渡してきた。
自殺用の銃…キングダム商会の情報が出回らないのはどうやらこれのせいのようだ。
「じゃあな、健闘を祈るよ」
そうして私の初任務は始まった。目指すは幹部になることだ。
そのために出し惜しみなどしない。