第12章 復讐の始まり
そんな感じで先ほどトーンさんと戦った部屋に行くと、先ほどと同じように周りに人がいた。
そしていきなりトーンさんが私の目の前に立った。身長160の私にとって2メートルはあるであろう彼はもはや壁だ。
彼が手を振りかぶるようにしたので思わず私は構える。
「ーこれからよろしくなっ!ラリー!」
しかし、いかつい顔をくしゃっとさせて握手を求めてきたのだった。
私は驚きながらも彼の手を握ると周りから歓声が上がる。
「ラリー、お前強いなっ!凄いぞ」
私の肩を抱いてきたり頭を撫でたりとかなり友好的だ。
「おいおいおい、ラリーがどこか分かんないぞ!とにかく、メンバー紹介だ!」
シルダさんがそういうと揉みくちゃにされていた私の周りから人が遠のき、シルダさんがこちらにやってきた。
彼に自己紹介をするよう促されたので私はみんなの前で話し始める。
「俺はラリー ストラグスです。歳は16で、前まではフリーランサーとして働いてました。よろしくお願いいたします」
自己紹介をすると、なぜかみんな口をあんぐりとしていた。
「お、お前16なのかっ!見るからに若いと思ってたが…」
沈黙の中、シルダさんがそう言った。
「キングダムの今までの最年少は23だ。よく幹部の奴らが許したな。さっすがぁ!」
続いてそう言うと、他の奴らも拍手し始めた。
これはいい情報だ。年下という条件でみんなのことを敬えば可愛がられる。
ざっと30人はいる人たちの名前を覚えて、私は歓迎会の時から媚びを売ることを決めた。
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「それではラリーの入会を祝して乾杯っ!」
シルダさんの一声で私たちは手に持っていたグラスをぶつけ合い飲む。
私は最初はサイダーだが、他の人はアルコール飲料を飲んでいた。
2Fの大きな部屋がホテルでよくあるバイキング形式にセッティングされていて、そこで歓迎会は開かれていた。
幹部の奴らがいないので、さりげなくキングダムのことを聞けるかもしれない。