第12章 復讐の始まり
「さて、幹部の奴らに入会を許してもらえ次第自己紹介するから、絶対入会しろよな!さ、行けっ!」
またしても背中を押されてから、私は連れてこられた部屋の扉を叩いた。
「失礼します」
中に入れば威厳たっぷりに椅子に踏ん反り返る人が3人、こちらを睨みつけるように見ていた。
そして部屋の隅には耳に何かをつけた男が机の上に座りながらにやけていた。
「早速本題に入るが、お前がキングダムに入りたい理由を聞かせろ」
真ん中に座ってたやつがそう言うと両サイドの奴は立ち上がり、私の横にやって来た。
「ちなみに下手な答えしたらその首が飛ぶと思え」
その言葉を合図に、彼ら2人は私の頭に銃と剣を向けた。
ちなみにこの部屋にいる私以外の4人の中に私の父はいなかった。
「俺が入りたい理由は昨日、俺が恨んでるやつがキングダム商会を恐れていたからだ。
ここに入ればそいつの恐れる敵となれる、そう思ったからだ」
「昨日……か。なら、俺はお前の名とお前が恨む奴の名を知ってることとなるな。お前の名はラリー ストラグス、で恨む奴の名はアオメ、だろ?」
やっぱり盗聴されていたようだし、私たちの作戦もバレていないようだ。
私が静かに頷くと、真ん中の男は笑い出した。
「全くあの女、いろんな奴から恨み買ってんな〜。まぁ、動機としてはいい。んで、ここに来れたってことはそれなりの実力を持ってんだな?…スペルタール卒業したんだろ?」
「ちょっと待ってね…今、34期の卒業生の名調べてるから」
左側の男は何か本を見て探しているが、私が動揺する必要はない。
実は34期の卒業生は確かに私だが、そこに私の名は載っておらず【不明】となっているのだ。
それは私が載せてほしくない、と頼んだからであって特に意味はない。
「あれ?不明って書いてるなぁ〜。こうなると君が卒業生かも分からない…どうする?」
「確かスペルタールの奴は痛みと毒に耐性があるんだろ?並みじゃ死なないはずだから…やるか?」
真ん中の男は挑発するように私を見て来た。
断っても殺されるだろうし、選択肢は1つしかないようだ。
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「ねぇ、もう飽きた〜!もう認めるよ!こいつは確かにスペルタール卒業だ」
別室で先ほど左側にいた男が降参、と言うように両手を上げて叫んだ。