第10章 突然の別れ
その後、ミカが寝たのを確認した私は気を張りながらも考え事をする。
もちろんキングダム商会の事だ。
恐らく知ったアジトには行ったところで無駄、あるいは万全の体制で迎えられ殺されるだろう。
家に盗聴器もあるとしたら 下手なことも話せたいし動くことも無理だなぁ。
結構動きは制限されることを悟り、ため息しか出ない。
これはいっそキングダム商会に加入した方がいいのか…。いや、入れないか。
なんて自問自答していたら夜も明けてきた。
一晩考えた結果、私に与えられた選択肢はたったの2つ。
1つは一度全てをリセットして情報収集をし直したり、家も引っ越す。
こちらは危険性は少ないが長期間に渡るし、情報収集の度合いによって左右される。
もう1つはキングダム商会に加入し好きを狙う。
こちらは危険性はかなり高いがリアルタイムで情報が入ってくるので殺す隙はできるだろう。
正直、キングダム商会の情報をゲットできるなんて奇跡でしかない。
しかもそれを最近起こして無駄にした。
次の有力な情報を得るのに何年かかるか、また奇跡を起こせるのか…。
それにキングダム商会は私たちの情報を持っているから情報収集中に殺されるかもしれない。
それなら答えは1つだ。リアルタイムで情報を得る。これがいちばんの近道だろう。
加入する、それはもちろん簡単ではない。
あのキングダム商会だ、ちょっとのことじゃ信用してもらえないだろう。
なら信用してもらう方法よりも、してもらいやすい方法と好まれやすい方法を考えるとするか…。
まず男よりは女の方がいい。
加入したい理由も筋が通ってること。
強いこと。愛嬌もあって、女を使えるといい。
そしてなにより聞き上手、褒め上手であることだ。
さてと、アオメはキングダム商会に入るのは無理だし名前も正体も偽らなきゃだな。
やることは沢山あるな…なんて思いながら私は思いっきりあくびをしてから作業に取り掛かった。
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それからしばらか時間が経ち、9時にミカは目を覚ました。
「お姉ちゃん、おはよう。…次、交代する?」
「何言ってんの、怪我人に守られるほど弱くないわよ。でも、1つだけお願いしてもいい?
退院出来たら私の家で私になって」