第10章 突然の別れ
考えすぎなのかもしれない、それでもじっとしれいられず私は病院へと走る。
こういう時の勘は不思議なほど当たる。
悲しい悲劇は予想できてしまう。
病院に着くなり、ミカが寝ている部屋の扉を開けた。
「ーミカッ!!」
名前を呼びながら少し膨らむ布団をめくった。
心臓が掴まれる錯覚に陥る。
ミカが寝ているはずの布団の下には丸められた他の布団があった。
部屋には争われた跡も血の跡もない。
ベッドの下なども見たが痕跡もない。
部屋全体を見渡そうと窓を背に__。
しようとしたが閉まってるはずの窓が開いていて危うく落ちそうになった。
何故、窓が開いてるの⁉︎
カーテンも閉まってるし無風のため気づかなかった。
そのまま下を覗くが暗いせいでよく見えない。
でもなんかがある気がする。
9メートルか…受け身さえ取れば降りられるな。
私は窓の枠に登ると、そのまま身体を前に倒した。風をきるように凄まじい速さで落ちる。
ードンッ
勢いはかなりあったが受け身はしっかり取ったので身体に影響はないようだ。
そのままものかげに近づくと、黒いビニール袋だった。
私は何度か突いたりして危険性を判断するが、中身は温かいもので形はいびつなもののようだ。
ポケットから小さなライトを取り出すと口に咥え、袋をゆっくりと開ける。
ーー!!嘘でしょっ、ミカッ!
袋の中にいたのは足を抱え込んだミカだった。
「ミカッ、ミカッ、ミカッ!!!」
私は何度も名前を呼び、体を揺らすと彼はゆっくりと目を開けた。
「お、お姉ちゃん…どうしてここに?」
「こっちが聞きたいよ、なんで袋の中にいるの?」
ミカは何故か自分が外にいる事を不思議に思っていなかった。
「クレナさんが僕の居場所がバレたって言うから今日はあそこにいるのは危険だと思って、ゴミのフリしてた」
「名案でしょっ!」と何故かドヤ顔をしている。
…せめて建物のなかとかで寝ててよっ!
そう思ったがまぁ、彼が無事なので何よりだ。
「とにかく今日は私がついてるからベッドで寝な。何かあったら私がやるから」
そう言いながら私はゴミをベッドに寝かせておいた。
ていうかよくミカあそこで熟睡できたな…