第10章 突然の別れ
ミカは首を傾げて、詳しく説明するように言った。
「スペルタールで習ったでしょ?はい、これ」
私はたった今書き終わった紙を渡すと、彼はすぐに読み始め気づく。
「…これ、本気なの?お姉ちゃんってこんなバカだったっけ?」
「バカと天才は紙一重。天才ほどバカのこと甘く見るし、見抜けない」
それにこの案、なかなかの力作だし。
「よく僕に頼んだね?僕はお姉ちゃんがそういうことやるの反対なんだけど。知ってるよね、わざとなの?」
「不眠不休の案を潰すの?ゴミ袋に入れたまま放置させておいた方が良かったかな」
それからもあー言えばこー言うなんてことを繰り返していたがついに決着はつく。
「あー、はいはい。やりますよ」
「ありがとう、ミカ。退院した日に頼むね〜。できるだけ早い方がいいから」
私はそう言い残して病室を出た。
とにかく一度家に帰って、すべての台本をもう一度練り直した後、しっかり練習しておかなければ……。
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〜7日後〜
「退院おめでとう、ミカ」
「そっも毎晩、病院での徹夜してお守りお疲れ様でしたっ」
無事にミカもほぼ完治したので、早速作戦実行をする為に私の家へと向かっている。
「作戦の方は大丈夫?…と言ってもただ家でおしゃべりするだけだけどね」
「おしゃべりの内容どうかと思うよ。えっと、僕はお姉ちゃんよりも早く家に行かなきゃだよね?」
「うん、私はそうね…2時間後くらいに行くわ。
私、やるからには本気でやるから。せいぜい『犯されないでね』?」
そう言いながら途中でミカに別れを告げる。
「優しいお姉ちゃんの育て方っていう本ないのかな?少なくともまともに育つ方法を知りたかった…」
そんなミカの嘆きに「聞こえてるよ〜」と答えておいた。
何はともあれ、ここからわたしの長い復讐劇の始まり、始まり………。