第10章 突然の別れ
「一回アジト見に行った方がいいよな。依頼は13個、今からでも全部終わるな。15人も殺さなきゃだけど」
なんてぼやきながら私はまた外に飛び出した。
馴染みの店員のおかげで私が復活したこともこの辺に知れ渡ったので依頼は増えつつある。
私がルータスにいた期間は死人扱いだったようだ。だからなのか依頼中標的に、「お前っ、死んでなかったのかっ!!」と言われる。昨日は久しぶりに『依頼達成率100%の死神に見初められた殺し屋』ということを口にした輩がいた。
残念ながらルータスにいた頃は100%にこなせなかったけど。
なんて思いながら私は夜遅くまでかかったものの13個の依頼を完遂した。
1度体を洗い、男装を辞めてから次にメルロさんの手紙を見る。
最初に目立つように赤い文字でこう書かれていた。
『絶対に声を出さないでください。昨夜、ルータスの屋敷に盗聴器らしきものが仕掛けてあるのが見つかりました。お気をつけて』
全て読み終え、理解した時鳥肌がたった。
なぜかは分からなかった、がとにかくこの家もやばそうだ。
先ほど一回見にいこうって口に出してしまったことを後悔しながら手紙を読む
『盗聴器が見つかったのは私とクレナとミカ、食堂、マスターの部屋でした。
いつからかは分かりませんが最近はキングダム商会について話していたので漏れてるとすればその情報です。』
ここからは字体が変わってるのでクレナさんのようだ。
『ここからは俺が書くね。あくまで俺の勘だから頭の片隅にでも入れておいて欲しいんだけど…
メルロ、クレナ、ミカのへやに盗聴器があったって事はアオメがルータスを出て、ステラが死んだことが分かってるからだ。
もちろんだいぶ前から盗聴器が仕掛けられていたらそんな事は分かるけど、もしそれが最近だとしたらルータスの中の誰かが犯人だね。
ちなみに盗聴器に気づいたのは俺。部屋でボーッとしてたら機械音が聞こえたんだ。
あのくらいの音なら俺は気づくはずだから仕掛けられたのは最近な気がするけど。
伝えたいのはそれだけ。あと漏れた情報としてはミカの病院かな。アオメも気をつけて』
そこで手紙は終わっていた。引っかかる、なぜか引っかかる。
『あと漏れた情報としてはミカの病院かな』を目で追ってしまう。
私がプロの殺し屋を狙うときは出来るだけ相手が弱ってる時にする。