第10章 突然の別れ
アオメside
ステラさんの訃報を聞いた日から5日経った。
私は依頼を受けながらキングダム商会についての情報を収集するをしていた。
あ、メルロさんからの手紙だ…。
大量の依頼の手紙に紛れて、1つだけ上品な封筒が紛れ込んでいた。
「ミカの意識が戻りましたよ。病院の場所は×××××です。会いたがってました。
こちらも情報を収集したのでまた後日話し合いましょう」
メルロさんらしい綺麗で形の整った字で書かれていた手紙をすぐに燃やす。
正直この家の防犯はよろしくないので、万が一情報が漏れたら大変だからだ。
依頼片付ける前に会いに行こうかな…。
私はカツラを被り、先ほど覚えた病院まで走っていった。
ーコンコンコン
「ミカ…アオメだよ。入るね?」
そう言いながら入るとミカはまだベットの上で寝ていた。
頬には大きなガーゼが当ててあるし、手も包帯でぐるぐる巻きで痛々しい。
こんな傷だらけになっちゃって…
優しく髪を撫でていたら、パチっと彼の目が開いた。
「あ、おっ、おはよう。ミカ」
「お姉ちゃん…?お、お姉ちゃんっ!」
私のことを呼ぶ彼はそのまま泣き始めてしまった。
「どうしたの…?身体が痛むの…?」
そう言いながら背中を誘ったがミカは首を横に振るだけで泣き続けた。
少しすると落ち着いた彼は私の服がシワになるほど力強く握りしめた。
「ステラさんのこと…守れなかった。間に合わなかった…。僕がもう少し早かったら」
男泣きに暮れる彼の背中は震えていた。
「ミカ、あなたはメルロさんを守ったのよ。それだけでも十分頑張った…。
人を殺して生きてる私たちが殺された仲間に執着してはならない。それが私達が殺した人たちへのせめてもの償いよ。『しょうがない、仕方ない』の」
スペルタールで教えられたことを彼に言う。
綺麗事なのは分かってる。でもこれまで悲しいことがあった時、私はこの言葉を思い出してきた。
私はミカになぜ自分を犠牲にしたのかを聞く。
「メルロさんが昔の僕と重なったんだ。仲間を助けに向かった僕が撃たれそうになった時、お姉ちゃんは助けてくれたから…。だから助けた」
と言うことはメルロさん方はミカにとって大事な仲間になったようだ。