第10章 突然の別れ
ミカが寝かせられてるベッドの周りに私達は腰を下ろした。
「ステラ、死んでたの…?」
「心臓辺りに4発、他の部分も…。既に手遅れでした」
私がそう言うと、クレナは目から涙を流した。
「嫌だ、嫌だよっ!俺をひとりにしないで…」
取り乱したクレナは赤ちゃんのように泣き出してしまった。
年上の私が耐えなければ、彼を慰めねば…
そう思ったが私も涙は抑えられなかった。
脳裏に焼きつく苦しそうな顔のステラ。
せめて目くらい閉じさせてあげれば、いや、そんなことをしていたら私まで殺されてしまう。
「クレナ、私はみなさんに報告してきます。帰ってきたらアオメさんの元へ行きましょう」
私はクレナの背中を撫でながらそう言って、マスター達に電話をした。
病室に戻ると落ち着いたクレナがミカゲの頭を撫でていた。
「ただいま戻りました。…ミカゲはきっと大丈夫ですよ」
「うん。…ミカゲいい奴だね。メルロを守ってくれた」
「私もそう思います」と賛同して彼に別れを告げて私達は外に出た。
「アオメの前で泣いたらダメだよな…」
「そうですね、彼女に心配はかけられない」
見栄を張ろう、と決めて私達はアオメさんの家へと向かった。
私が話すと、彼女も少しだけ取り乱した。
それから涙をこらえて家をを出て行った。
「なんていうか…アオメさんがステラのこと嫌いになってなくて良かったです」
「そうだね…あーあ、俺も泣きそうだ」
そんなことを話してたらアオメさんは勢いよく帰ってきてすぐに何かをし始めた。
「キングダム商会のアジトの場所が分かりましたっ!殺しに行けます」
その言葉は私達に大きな希望をもたらした。
私達がステラの復讐を、仇をうつ、そう心に誓った。