第10章 突然の別れ
「ミカが回復するのを待ちましょう。それにコルトさんにお願いしてもう少し情報収集する必要があります。私の方も動くので……」
などと会議していたら、急に扉が開いた。
開いた扉を向いた瞬間、私の頭の上を何かが風を切った。
「クレナさん、メルロさん隠れてっ!」
一瞬のうちに状況を理解した私は銃を持っている相手に反撃をする。
「死ねぇぇぇ、アオッ「だから、うるせぇんだよ!」
銃を思いっきり蹴り飛ばして、その男の首を手で掴み床から浮かせる。
「お前は誰だ?何故こんなことをした?」
「お、お前が昼頃…俺のあ、兄貴をぉぉ」
そこまで言われた時に気づく。
どうやらこいつは路地に入った瞬間に声かけて来た奴の弟のようだ。
「兄弟揃ってうるさいなっ「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
そのまま手に力を込め、ボキッという音がしてから離すと男は床に力なく崩れた。
「もう大丈夫ですよ。どうやらメルロさんたちが狙われたわけではなさそうです」
死体を放置したままで、また私は仇を討つ方法を考え始めた。
「こんなところですね、とりあえず今日はもう寝ましょうか」
一通り作戦は建て終わったので私たちは寝る支度をした。
「ねぇ、アオメ。今日だけ一緒の布団で寝させて?仲間が死ぬと人肌が恋しくなる…」
もう明かりを消す、って時にクレナさんが言ってきた。
「いいですよ。…メルロさんはどうします?」
「わ、私ですか⁉︎…じ、じゃあ、ぜひ///」
そんな感じで結局私たちは同じベッドに3人で寝転がる。
すぐに明かりを消し、「おやすみなさい」と言った。
それから数分後、右隣にいるクレナさんに違和感を覚えた。
あれ、クレナさん震えてるのかな…。あぁ…泣いてるんだ。
「大丈夫ですよ…みんなで乗り越えましょう、クレナさん」
彼の背中を撫でながらそう言うと、一層震えは大きくなった。
「….今日は我慢しないでください。受け止めますから」
そう言った途端、クレナさんは声を上げて泣いた。そしてメルロさんも静かに泣き始めた。
初めて彼らが弱っている姿を見た、見てしまった。
あぁ、なんだか私まで弱くなってしまいそう。
そんな思いを飲み込み、彼らの背中を一晩中さすり続けた。