第10章 突然の別れ
アオメside
これしか方法がなかったんだ…
屋敷の窓から飛び降り、一気に敷地を出てきた私は路地裏に入る。
今でも覚えてる、ステラさんが過去のことを話した時の苦しそうな顔。辛そうな顔。
それを作った原因が私の父ならば、私はあそこにいるべきではない。
「よう、嬢ちゃん。一人なのかい?」
いきなり寄ってきた男どもに私は囲まれる。
ここだ、私の生きるべき場所。こういうゲストでクズどもがうじゃうじゃ入るところ。
「お〜い、無視かよ「ーうるせぇんだよ」
そう言いながら持っていた短刀で全員を刺し殺す。
とりあえず男装して、またフリーランサーに戻ろう。そして情報を集めて、あいつを殺そう。
浴びた血を拭わずにそう考えながら私は自分の家へと向かった。
久しぶりに帰ってきた家は変わった様子なく、いつものしんみりとした感じだ。
前にここにきた時はステラさん達と…
と考えたが、私は首を振り考え事をやめる。
「とりあえず道具を揃えなきゃだから…」
何にも持たずに飛び出したので今あるのはきている燕尾服、懐中時計、白い手袋、銃が2つに短剣が1つ。
揃えるべきものは男装の道具、着替えなどだ。
とりあえず私は外に出て馴染みのお店へと向かった。
「おおっ!お前、アオメか?もう死んだかと思ったよー」
「う、うるさいなっ!耳元で叫ぶなよ。前に買った男装の、ある?あと適当な着替えをたくさん」
「ア、アバウトな質問だなぁ」
頭をポリポリ掻きながら、店員は奥にへと消えて行った。
確かにルータスで長い間暮らしていたから、いろんな人に死なれたと思われてるだろう。
そういえば依頼の手紙、ポストに詰まってたな
なんて思っていたら店員がたくさん物を抱えて戻ってきた。
「これがカツラ、予備つけとく。あとサラシな?で、上、下の服10と羽織もの5。下着は適当に入れといた。あと小物」
それらを確認した後、全て紙袋に入れてくれた。私は代金を払うために財布を出す。
「あぁ、お代はいらねぇよ。その代わりちょっと頼まれてくれるか?」
そう言って商品と共に出してきたのは依頼の手紙だった。
「この依頼内容だと、この服代よりもはるかに高いんだけど?」
「むっかし馴染みだろ〜〜!なっ?」