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殺し屋が執事になってみました。【R18】

第9章 新しい仲間


「まずは1Fね。あるのは…大きいホール。沢山の部屋かな」


「1Fざっくりしすぎじゃんっ!」


歩きながら説明するが、入り口の扉を開けると目の前に大きなホール。
そして、そのホールの左右に続く廊下の壁にいくつものも扉があるだけだ。



「1Fは私たちも点検の時しか来ないわ。というか、2Fも同じ作り。ほとんど生活スペースは決まってるから、私たちが使うのは極一部だし」



そんな感じで2Fも通り過ぎて3Fに着く。


「ここは庭師の人とかの自室、ホールがあるわ。人通りはまぁまぁあるよ」


ミカはそれだけという顔をしているが、そう。これだけだ。


「4Fはもっと大事だよ。私たちの部屋、食堂、マスターの部屋がある。あと武器庫もかな?」


階段を上がり、まずは右側の廊下を歩く。こちらは食堂となっており、シェロさんたちの声がよく聞こえる。


続いて、左側には私達の部屋がある事とマスターの部屋の行き方を教えた。


「5Fは1Fと2Fと同じ作り。あ、1Fの右側廊下の突き当たりから離れに行けるよ。離れでは体動かせるから。
……こんなもんかな」


「ふーん、大きいだけでつまんない屋敷だね」


そんなミカを放っておいて私はステラさんを呼びにいくと、もう部屋に戻っていた。



「これがミカゲの服な。部屋はアオメの隣の部屋だから」



それらを受け取ったミカは部屋に戻り、役目は終わったので私も部屋へ戻った。



案外疲れも取れていて、ベッドに寝転がるが眠れる気がしない。

久しぶりにバイオリン弾こうかな…


なんて思って、前みたいに弾いていたらどこからかトントンと音がした。

恐らくミカが叩いているのだろう。

うるさかったかな、と思いながら弾くのをやめる。


それから30秒後、ノックもなしに扉が勢いよく開いた。



「お姉ちゃんっ!なんでやめちゃうの!聞きたいのに~」


やっていたのは燕尾服を中途半端に来ているミカだった。


「ちょっとノックしてよっ!あとで弾いてあげるから…」


燕尾服をしっかり着せてから、バイオリンをもう1つ取り出す。


「向こうのホールで弾こう。昔みたいに」



そう言うとミカは微笑みながら、そのバイオリンを受け取ってくれた。





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