第9章 新しい仲間
コンコンコン
二度寝を始めてからどれくらい経っただろうか、扉をノックする音が聞こえて目を覚ました。
やばっ、ミカはっっ…あ……
一瞬焦ったがそれはすぐに消える。
なぜなら私の腰に抱きついて眠るミカがいたからだ。
「は、はーいっ!今、行きますっ!」
そう答えながら私はミカから離れようとしたが、かなりの力で抱きついてるのでなかなか離れない。
何度も力を込めてる内に、待ちきれなくなったのかまた声が聞こえる。
「アオメー?どうしたんだ、開けるぞ?」
ステラさんだっ、この状況はやばい。
慌てて「ダメですっ!」と言ったが間に合わずに扉は開かれ、こちらを見たステラさんは固まった。
「や、あの、ステラさんが思ってるようなことは何もなくてですね…。ミカが離れなくて困ってます」
そう言いながらまた離れようと力を込めていた瞬間、ミカの片目が開いてニヤッと笑った。
こいつ、起きてるし……
「ちょっとミカッ!いい加減、は、な、れ、な、さ、いっ!!!!!!ーわぁっ!」
おりゃあっ、とやった瞬間いきなりミカが手を離したので私はステラさんの方まで転がった。
「床に転がってる姿お似合いだぞ?いい惨めさだな。早く支度しろ」
憎ったらしくそう言ってから、彼は部屋を出て行った。
「ミカァァア~~!!許さないからね」
「お姉ちゃん、怖いよ♡「ーうるさいっ!」
朝からそんな疲れるやり取りをしてから、私たちは食堂で朝ごはんを取った。
「さて、これよりミカゲに試練を与える。アオメ、しっかりやれよ?」
「なんで私なんですか!?ミカに言ってくださいよっ!」
なんて感じで始まった試験、まぁ結果から言えばミカは受かった。
メルロさんのところではむしろ毒を彼に進めてみたり、クレナさんと戦った時は始まってすぐに彼を気絶させていた。
「もうお前ら、意味わかんねぇ。本当に人間かよ」
「お姉ちゃんはもっと強いけどね??」
なんで軽口を叩いてるミカも早速燕尾服に着替えていた。
「アオメ、お前はミカゲにこの屋敷の案内をしてこい。俺らは…休む」
「ちょっとぉぉぉおっ!」
なぜか今日はステラさんが私をいじってくる。一体なんなんだろうか。
そんなこと思いながら、私はミカを連れて案内を始めた。