第8章 忍び寄る恐怖と出会い
「アオメ〜?しっかりやるんだよ?」
「1秒以内に終わらせろ。……まだ終わってないのか?」
何て言葉に私は苦笑いをしてから、小走りで屋敷の廊下を進もうとする。
「アオメさん、これ使ってください!」
メロルさんは後ろから気体状の睡眠薬を投げ渡してくれたので、結構楽にすみそうだ。
私はお礼を言ってから、もう1つの足音めがけて走って行った。
そうしてようやく大広間で出口を探しているミカゲと、シェロさん達が彼を捕まえようとしてる場面に遭遇した。
「おい、アオメ。こいつヒョロそうに見えて意外と強いぞ〜」
「でしょうね、あと私やるんで美味しいご飯でも作っといてください」
何て言って適当に人払いするとミカに話しかける。
「お姉ちゃん、裏切るなんてひどいよ」
「だって話し合いできるような状況じゃなかったもの。それに私はここでミカとまた働きたいの。悪くないでしょ?」
「やだよ、つまらなさそうだ」
何て言いつつ、こちらに銃を発砲してきた。
「あっぶないな〜、当たったらどうするの?」
「何言ってんのさ、余裕そうに避けてるくせに」
またあの気味の悪い殺意がこちらに向いた。
「お姉ちゃん、僕はフリーランサーなの。雇われるなんて向いてない」
「結構ここは自由だよ、美味しい食事付きだし」
会話しながらも銃を使って撃ち合いが激しくなる。
「じゃあ私が勝ったら入ってくれる?」
「なら、僕が勝ったら一緒に逃げてね」
何ていう約束をした後、私達は攻防戦を始める。
と言ってもミカはまだ怪我が治っていないし、どこからか持ち出したのであろう銃も慣れていないようなので動きは鈍い。
一気に攻めちゃった方が早いかな…
私は弾を避けつつ突進する勢いで彼へと激走する。
そしてミカが避ける方向を誘導する。
私だって知ってる、ミカの弱点。
銃を構えてフェイントしてから、走ってきた勢いでスライディングして彼の下へと潜る。
そして体をホールドしたら私の勝ちた。
「ミカの弱点は下からの攻撃、思わぬ方向からの攻撃。君もまだまだだね?」
そう言いながらこれ以上暴れないように、先ほどもらった睡眠薬でミカをねむらせた。