第8章 忍び寄る恐怖と出会い
その後、ミカをおんぶした私は食堂へと向かった。
「お疲れ様、アオメ~。早かったね?」
「この子怪我してるし、疲れてるみたいだったし楽でしたよ」
私はミカを食堂の端にあるソファに寝転がせて、自分も席に着く。
久しぶりのシェロの手料理はいつもより美味しく感じた。
メルロさんの話によると、あの睡眠薬は大体10時間ほど効き目があるようなので睡眠時間は取れそうだ。
「そいつが起き次第、明日は”あれ”をやる。俺がやってた役をアオメがやれ。
あとはいつも通りな」
「私も毒の調合があるので…」
「俺も体休めたいから寝るわ~」
そんな感じで続々とみんな部屋に戻って行ったので、私も早々に食事を切り上げて部屋に戻った。
とりあえずミカに逃げられないようにしなきゃ…
かと言って紐で縛っても無意味だし、なんだかんだ考えた結果。
彼を抱きしめながら眠ることにした。
きっとミカが動けば、私も目を覚ますだろう。
本当に懐かしいな…昔はいっつもこうやって寝てたっけか。
なんて思いながら私は目を閉じた。
「…ちゃ、おね……ちゃ~んっ!」
その後、夢も見ないくらいぐっすりと寝ていた私はミカに揺さぶられて起きた。
「ん、ん~~…なに、ミカ…」
「いい加減手放してよ、僕のこと絞め殺す気なの?じゃなきゃ、僕は抱き枕なの?」
なんて言いながらミカは私の手から離れて、ベットから降りた。
「ちょ、ミカッ「逃げないから安心してよ。お姉ちゃんと約束したんだから破らないよ」
そういう彼はグッーと伸びをしながら大きなあくびをしていた。
現在時刻は3時過ぎ、昨日は18時くらいに寝ていたからそれなりに睡眠はとったはずだがそれでもまだ眠い。
「もう少し寝てたら?あと、お風呂借りていい?」
私が返事をする前に彼は脱衣所へと入っていく。
まぁ、昔から私の言うことだけはほとんど守っていたわけだし大丈夫だろう。
「部屋から出ちゃダメだからね~?」
私はそう言ってもう一眠りした。