第8章 忍び寄る恐怖と出会い
「ここに荷物置いておくからねっ!さて、そいつ縛っちゃおっか!」
そういったクレナさんはどこからか縄を取り出してにっこり笑った。
「とりあえずベッドに繋げよっか!」
と言ってミカをベッドに寝かせて手足を柵に縛り付ける。
「…首本当に大丈夫ですか?身の危険を感じたので結構力込めちゃったのですが…」
「こんくらい大丈夫だよっ!それにしてもやっぱアオメは強かったなぁ〜」
彼達がおきたあと、事情を説明してひたすら謝った。
結局、帰り道に泊まった宿でお酒をおごったらあっけなく許してくれた。
「こいつも強いんでしょ?」
「はい。スペルタールでは私とは一期ずれてるんですけど、彼がいた期ではNo.1でした。よくバディとして一緒に働きましたよ」
何で話してるうちに、ミカのこともしっかり縛り付けることができた。
「さてと、マスターのところ行って反省会だ」
私達はマスターの部屋へと向かった。
相変わらずの緊張感の元、私達は報告を始めた。…包み隠さず。
「……その後連れ去られたコルトとアオメの場所を特定し、私達は助けに向かいました。
一度思わぬの敵の登場でクレナとメロルはやられましたが…話せば長くなる展開の後、全員無事帰還。そして連れ去った張本人もアオメが連れてきました」
全ての方向を終えるとゆっくりとマスターは口を開く。
「思わぬ敵というのは誰だね?」
「わ、私です…」
控えめに伏し目がちで手を挙げつつ、行動の理由を話す。
どうやら納得してくれたようでお咎めはなさそうだ。
「では、後日そのミカゲとやらが入団することを望むのならば試験をしよう。もう下がっていい。
明日は休みだ、体を休めろ」
そう言われたので全員で礼をした後、急にどこかで何かが壊れる音がした。
「アオメーッ!アオメーッ!あいつが逃亡したぞー!!」
次に聞こえた私を呼ぶシェロさんの声。
「さて、飼い主のアオメはしっかりペットを躾けるんだな。早く行かないと壊されたもの賠償してもらうぞ?」
私は疲れている体に鞭を打ち、返事をしてから部屋を出る。