第8章 忍び寄る恐怖と出会い
「完璧に外すとすぐバレるので、穴を広げて少しでも楽なようにしておきますね…」
再び枷をつけて、動作確認をしてもらう。
「先ほどよりも楽になりました。ありがとうございます」
「いえいえ。万が一の場合はここを押さえながら抜いてください。
ただ彼をあまり刺激しないでください。
躊躇なく人を殺すのでお気をつけを」
私はそう言って地下室から出る。
ともかく今は無事に返してもらうことを第一に行動しなくてはならない。
私はとりあえずご機嫌取りから始めた。
適当に朝ごはんを作ってから、分かりやすく置いてあるいくつかの冊子の中から一冊を開く。
やっぱり引き受けてる仕事のメモだ…
どうやら几帳面にもスペルタール卒業以降引き受けた仕事を記録しているようだ。
パラパラめくり変わったところはないかと思ったが、今の所何もない。
最後の分厚い冊子を少しの光を抱いて開く。
……!!!これは日記だ。
5歳の頃から始まっていることからどうやらスペルタールで読み書きできるようになった時から続けているみたいだ。