第8章 忍び寄る恐怖と出会い
「でも私は今、住み込みで雇われているの。だから勝手な行動は許されてない。
私達を解放してくれない?」
「やだよ、せっかく会えたし、募る話はたくさんあるしね?
ま、そのお仲間さんに襲われても困るから2日後に返してあげる。
そのかわり!この二日間は僕の命令通り動く様にね?」
私が渋々返事をすると、スッと殺気はなくなった。
「お姉ちゃんの右目は傷ひとつなくてとっても綺麗だね。昔と同じだ」
マグカップをテーブル置いたミカは私に顔をぐっと近づけてきた。
私の右目の眼球代わりの青い宝石を指で撫でている。
どうせ麻痺しているし痛くもかゆくもないが目を触られてると思うとゾクっとする。
「…怯えてるの?大丈夫だよ」
そう言って私の頭を撫でた彼はまたハーブティーを飲んでいた。
「懐かしいね。9歳の時だから7年も経ったのか。あの時のお姉ちゃんかっこよかったなぁ〜」
彼が話している話は今から7年前。
スペルタールに悪党が乗り込むという前代未聞の事件が起こった。
もちろん、私たちは彼らを止めるために銃を持って参戦していた。