第3章 怪しい依頼にはご用心⁉︎
「いい加減笑うのやめてください、こっちだってあの状況で警戒してたんですから」
「いやぁ、カッコよく飲み干したものは普通の水だったなんてな、実に滑稽なもんだ」
そんな会話をしていると私は402号室に着いたので先ほどと同じようにして中に入る。
またしてもシンプルな部屋にいたのは赤いショートカットの男の人だ。
確か名前は…『クレナ』だったはずだ。
「こんにちは、アオメッ!クレナです!」
扉付近にいた私に走り寄っていきなり抱きつかれた。
私は頭が追いつかず呆然とする。
「えっと、僕とは…【運動】だね?
じゃあ鬼ごっこしよっか!制限は10分、僕が鬼で、君が逃げる人!!」
クレナさんは勝手に話を進めて30秒からカウントダウンしている。
「捕まったら殺されるか、抱きつかれるぞ?」
私が慌てていると燕尾服の男が私にナイフを渡してきて、部屋の扉を開けてくれた。
私はとりあえずダッシュで部屋から離れて、天井にある通気口の穴に身を隠す。
少し経つと「0ー!!行くよっ!!」とクレナさんの声が聞こえたので私は身構える。
が、扉の前でクレナさんは動きを止めた。
なんで動かないんだ…
そう思ってその光景を見ていると突然クレナさんはこちらを見た。
確実に目が合ってしまった。