第8章 忍び寄る恐怖と出会い
「青、色の宝石……。まさか…」
眼帯を手に持ったまま彼は私の顔をまじまじと見て、急に狼狽えた。
「君って…アルトなの?」
久しぶりに呼ばれた名に驚く。
その名を知ってるものはこの世にたった2人だけだ。
「なぜそれを知って…「ミカゲだよ!お姉ちゃん!」
ミカゲ…と頭の中で検索をかけるまでもなくすぐに分かった。
スペルタールで私のことを慕ってくれていた弟の様な存在の彼。
まさかこんな再会をするとは思わなかった。
「まだ生きてたんだ!良かった!ま、お姉ちゃんが死ぬはずないもんね〜」
1人で嬉しそうに騒ぐミカゲはすっかり変わってしまった。
私より肩幅も小さければ、身長も小さかった彼は見事に大人の男に育っていた。
「だからあんなに強かったのか…。なんかもう満足しちゃったし、お姉ちゃんと昔話がしたいな。
だから…君はもう要らないや〜」
無邪気にそう言いながらコルトさんにミカゲは銃を向けていた。
「ミカ、待って!その人はダメ、仲間なの!」
私は考える前に叫んでいた。