第8章 忍び寄る恐怖と出会い
私はふと目を覚ました。
頭痛に顔を歪めながらも目を開けると、最初はぼやけていたが徐々に視界が開ける。
冷たい石壁の小さな灰色の部屋に私達はいた。
まだ寝ているコルトさんも、私も手足に枷がつけられている。
私はとりあえずコルトさんの名を呼び、なんとか彼を起こすことができた。
「っ、ここは……?」
「分かりません。あの男に連れてこられたとしか…」
私達は微量の情報の中で現状を必死に整理する。
「いまはなるようになれ、としか言えませんね」
こんな時でも落ち着いているコルトさんのおかげで私も落ち着くことができた。
ーーガチャ。
不意に重たそうな扉が音を立てながら開いた。
「やっぱり目覚めた様だね。ご気分は?」
その問いに私達は答えないで、彼の目を見据える。
すると、彼の目が私の目を見た。
「なにその目。気に入らないな?
眼帯の下には何があるの?」
そう言いながら抵抗することのできない私から眼帯をとった。