第1章 それは一目惚れ
「3対0での勝利とする」
審査員、堂島銀の一声で食戟は幕を閉じた。
「ありがとうございます。堂島さん、わざわざきていただいて。」
「かまわないさ。かわいい後輩の頼みだ。に四宮、今後も期待しているぞ。」
「・・・はい・・・」
「さ、四宮君!条件は覚えているわよね?学園祭は私のサポートにまわってもらうわよ。
「・・・はい。」
「四宮君のお料理まだ残ってる?私も食べてみたいな。私の食べる?」
「あ、まだ残ってます。さんのもいただきます。」
お互いの料理を食べる二人。
「!!!」
これが遠月第1席の料理!
俺のとは比べ物にならねぇ、、
これが、今の俺と第1席との距離なのか・・・!!?
「ん!おいしい!」
「え・・・、でも、さんの料理の方がずっと・・・」
「そりゃあ第1席の座をやすやすと明け渡すわけにはいかないからね。でも、個人的にだけど、四宮君のお料理、なんかすきだなぁ」
笑顔でおいしそうに俺の料理を食べるさんをみて思わず嬉しくなった。
「俺、スタジエ頑張ります。さんに近づけるように・・・。」
「うん!四宮君がそういってくれると私もうれしい!スタジエでもし困ったことがあったら連絡して。」
図らずも彼女は連絡先を教えてくれた。
料理人として、男として大きく一歩を踏み出した瞬間だった。