第3章 仮面の裏◻︎
「息抜きに遊びます?俺の行きつけに新しい嬢入ったんすよ!若くて童顔で!!」
「スガワラさんは童顔なら誰でも可愛いて言うよね」
「そ、そんなことないっすよ!?京治さんも行ってみたらどうです?」
「えー…俺、明日も学校あるしなあ」
スマホを見たらもう10時だった。
あも1時間で開店の時間になるな…
制服だしさすがに長居したら面倒くさそうだから帰るか。
「今日はもう帰るよ」
「えっ、もうすか?まだ開店前っすよ?」
「いやいいよ、おつりは要らないから」
カウンターに万札を1枚だしてコートを着る。
「いつでも来てくださいよ?俺寂しいっすから!」
「うん。また行くよ。ご馳走様」
「あ、ついでにさっき言った店に行ってみてくださいね〜!!」
「気が向いたらね」
そう言い残して店から出る。
外は肌寒くて、いくら東京でも冬の夜はコート無しじゃ出歩けない。
路地裏を出たら着飾った香水臭い女や欲求不満丸出しの男、泥酔して店の前で寝ている奴。
学校から直行でバーに行ったもんだから制服姿の俺は浮いている。
早く帰ろ
そう思ってはいるんだけれどすれ違う女、寄り添ってくる女を見ていると本能が勝ってしまいそうだ。
まだ10時…ひと遊びしてから帰ろうか…
あ、スガワラさんの言ってた店に行こうかな。
スガワラさんの好みって案外俺もストライクゾーンに入ってるしなあ
繁華街から出ようとした体の向きを変える
「ねぇ、おにぃさん〜ゎたしとぁそばなぃ〜?外、寒ぃから一緒にぁたたまろ?」