第10章 ベルトルト (夢幻様リク)
男「初めまして、私はシーナより参りましたカイリ・シャロンと申します。是非貴方にお話ししたい事があるのですが…」
その男性は確かに私達と違って高そうな服を着て、高そうな装飾品を身につけていた
シャロン「あ、あの…手を離していただけませんか?その…」
チラッと困ったように彼の方を見ると顔をそむけられてしまった
ちょっとショック
そんなショックも次のカイリと呼ばれる男の一言で吹っ飛んだ
カイリ「貴方を妻に迎えたい」
シャロン「…え?」
カイリ「私は貴方をシーナへ妻として迎え入れたい。勿論貴方のご両親も一緒に…」
シャロン「え、ちょっちょっと待ってください!私達会うのも初めてですし…その……」
カイリ「では2か月待ちます。2か月待ちますので…それまでに返事を下さい」
そう言って出て行ってしまった
それからエレン達がいつ帰ったかなど覚えていない
あれから数週間、私達家族に嫌がらせが来るようになった
きっとカイリという奴の仕業だろう
客足が明らかに減ったり、土地を売ってくれなどと言ってくる業者が増えた
父も母も憔悴しきっている
そのまま2か月が過ぎて行った
カイリ「お返事は決まりましたか?」
シャロン「父達もシーナに行けるんですよね?」
カイリ「勿論です、責任を持ってお世話致しましょう」
シャロン「……これからよろしくお願い致します」
そう言いながらも目に浮かぶのは優しそうに笑う彼の顔だった