第7章 エレン 翼
調査兵団に入り3年
私も大分兵団に慣れた
…相変わらず仲間の死には慣れないけど
リヴァイ班に抜擢されエレンという巨人になれる少年の世話係を命じられた
部屋は地下室らしい。可哀そうに
シャロン「エレン。夕飯一緒にどう?」
エレン「いいんですか?」
シャロン「もっちろん!じゃあいこっか」
壁外調査が明日と迫っている
本当だったら一人で生きる事だけ考えながら食べるんだけど…
なんていうか…エレンの事をほっとけなかった
ミカサ「シャロンさん私達もいいですか」
シャロン「見事に拒否権がない言い方だね…いいよ、皆で食べよう」
ミカサ、アルミン達…有望な新兵達がやってきた
やっぱり血に染まってないこの子達が心配だ
トロスト区に巨人が来たときには前線にいたらしいが壁外となると逃げる場所なんて巨大樹の森くらいしかない
逃げ場のない地獄でひたすら恐怖と戦うなんて新兵には早すぎるんじゃないか、そう兵長にも抗議した
「上からの命令だ」
これには逆らえない
きっとエレンが運悪く死ぬ事を期待しているんだろう
それを阻止するのが私達リヴァイ班の役目…
前日というのに、食堂はガヤガヤと相変わらずうるさい
最期の晩餐のようだ
そんな私達も他愛もない話で盛り上がっていた
クリスタ「シャロンさんって美人ですし告白されたりとかないんですか?」
シャロン「あぁうんよくあるよ」
男「「ブッッッ」」
男共が飲み物吹いたが気にしない
サシャ「じゃあ彼氏さんとかいらっしゃるんですか?」
シャロン「私、恋はしないって決めてるんだ…好きになってくれた人には申し訳ないんだけどね」
アハハッとごまかしているとだんだんと話題が変わり、エレンを地下室へ拘束させる時間になってしまった
シャロン「エレン、それじゃ行こうか…皆また明日ね」
エレン「じゃあおやすみ」
おやすみーなどとわいわい聞こえる声を後ろに私達二人は地下室へと足を運んだ
ガチャンッ
シャロン「毎回思うけど拘束しなくたっていいよねー」
エレン「仕方ないですよ…」
ハハッと笑うエレンの瞳は寂しげだった
シャロン「それじゃあおやすみ、エレン」
エレン「ちょっと待ってください」