• テキストサイズ

俺らのマネは地味子さん。

第9章 SIX






ー丸山sideー


あの後、新幹線の時間が近付き隠れてた事をバラした。
裕ちんは驚き恥かしいのを隠すためか、めっちゃ怒ってたが新幹線には大人しく乗ってくれた。

『行きとーない』
は、言わんかったけど元気が無い裕ちんのため俺は頑張った。
頑張り過ぎて信ちゃんにめっちゃ怒られたんや。

カメラは考えとくって言われただけで、何も無かったのでとりあえず回しといた。

けどな、お墓の前じゃ俺も空気読んだで!
遠〜〜〜くの方から映像だけ撮っただけにしたんや。
偉いやろ、俺!

それから、お土産買ってバタバタと新幹線に乗った。
帰り道でも裕ちんの表情は晴れん。

話して少しはスッキリしたらええなーと思ってたけど、無理矢理はやっぱダメやったんかなと思ったのは多分、俺だけじゃないはず。
帰りはみんな、口数が少なかった。

駅に着いて、裕ちん直ぐにキョロキョロ辺りを見渡した。
そっか、約束してたもんな。

いてるか?いてるやろーな。



「お帰りなさい」

相変わらず、朝と同じ格好のあずみさん。
だけど、その優しい笑顔にやっと裕ちんは表情を和らいだ。

「・・うん、行ってきたで」

「最終便までゆっくりして来ても良かったんですよ」

予定より何本か早い新幹線に変更した。
裕ちんが早く帰りたがってたんや。
お土産買う暇さえ与えん勢いで、焦ったわ。

「はい、白元ちゃんお土産!」
「これは、俺から」
「これめっちゃ美味いで」

メンバーそれぞれ、あずみさんにお土産を買っていた。
相談も何もしてないのに、そうゆーのが何かええな。


「ありがとうございます。
わざわざ済みません、嬉しいです」

「よし!飯行こー」

信ちゃんの宣言でぞろぞろと歩いてく。
俺もその流れについて歩こうとした時、気付いた。


「えっ?」

後ろから来ていた裕ちんとあずみさん。

ちゃんと来るか確認のために、振り返ったら何故か裕ちんの腕の中にあずみさんがいたんや。

あの裕ちんか抱きしめてた。
しかも!あずみさんは嫌がらんで成されるがままや。


「えーーーっ!!!」






/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp