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俺らのマネは地味子さん。

第9章 SIX





ー横山sideー

ここまでするつもりはなかった。
何言っても怖気出さない上に、押し倒しても動揺さえ見えない。
無性に腹が立った。

俺は今回の事で動揺しまくってんのに!

だけど・・・

「・・新幹線乗り遅れますよ」

離れた唇が動いたと思ったらこの言葉や。

泣くかと思った、怒るかと思った、叩かれるかと思った。
ほんま、何でキスの後のセリフがそれなん?!

「行きとーない。
このままセックスでもしょーか」

ガラにもないセリフ。
女にそれもマネージャー相手にや。
何言ってんの俺・・


「・・・したら横山さんの気が治まりますか?」

「!!」

この状態でそんな事言うなや。
バカやないんか?!

「・・治まるって言ったらどーする?」

「・・横山さんが後悔しないなら」

動揺させるつもりが動揺してるのは俺だけ。
それを隠すように白元さんの頬に撫で上げ、眼鏡を外した。

やるで。
それを行動で示した。

「ちょっ!返して下さい!!」

「!!」

何や!何で急に暴れるんや!!

片手を伸ばし眼鏡を奪い返そうとする白元さん。
だが、もう片手で顔を覆ったままでは届くはずもない。

「おい、暴れんな」

あんな受け身やったくせに・・
そんな、顔見られたくないか?
眼鏡取っただけやで?

違和感を感じ、眼鏡を確かめてみる。
何の変哲も無い普通の眼鏡。
そう、普通・・

「これ度入ってねーな・・伊達眼鏡?」

ビクッと白元さんの身体が揺れる。
見下ろすといつの間にか大人しくなっていた白元さん。
だが、その表情は両手が覆っていて見えない。

そんな変わるわけねぇやろ〜
好奇心が刺激される。
見て見たい、そんな衝動に駆られたんや。


「ちょい、顔見せて」

「嫌です!退いて下さい」

「見せたら退く、見せろや」

「・・見せたら行ってくれますか?」

またそれか・・・

「わかった。行く行く」

「本当に?」

しつこいねん。

「ほんま行くって、な」

そう言うと恐る恐る白元さんは、顔から腕を少しずつ動かそうとしていく。

「!!」





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