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俺らのマネは地味子さん。

第9章 SIX





薄暗い室内。
きっちり閉められたカーテン。

そっとベッドに近付く。
規則正しい寝息。

「おはようございます」

微かに瞼が動く。

「横山さん、おはようございます」

再度声を掛けた途端、パチっと視線が噛み合った。

「・・・」

「・・横山さん、支度しないと間に合いませんよ」

まだ寝惚けているのか、徐ろに身体を起こした横山さん。
何の返事も返って来ない。

「横山さん?」

「行きとーない」

「・・・シャワーでも浴びて身支度済ませて下さい」

「行きとーない」

小学生か!とツッコミが入ってもおかしくない発言。
横山さんが駄々をこねるのは初めてだった。

「みんな待ってますよ、起きて下さい」

「なーぁ」

「何ですか?」

その瞬間、手を引かれ気付いた時には目の前に横山さんの顔があった。

えっ?

「お前、危機感ないねんなー。
あんなしっかりしてる癖に何でや?」

「何でと、言われましても・・」

背中をベッドに預け、視界に映るのは横山さんと天井。
一瞬のうちに、横山さんが私に馬乗りしていた。


「ほら、こんな事されても動揺せんしー。
俺の事、男って認識してんのか?」


認識してる。
どう見ても横山さんは男だ。

そんな事を考えていたら、段々近付く距離。



「えっ?ーーーー!!」

重なった唇。
私は押し倒されたまま、横山さんにキスされていた。




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