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俺らのマネは地味子さん。

第9章 SIX





ー白元sideー


予想通り、拒否られた。
それでもわざわざその日に休みを合わせた。

偽善者。
余計な世話。

そう罵られる覚悟で別の日を提案する山田さんを黙らせた。

山田さんもわかってる。
横山さんが受け入れきれていないって。
仕事に没頭する事で前に進んでいると思わせているって。






ーピーンポーンー

チャイムが鳴り、少し経ってドアが開いた。

「おはようございます」

「・・・白元、早過ぎや」

早朝5時。
横山宅の玄関を開けたのは、村上さん。

「誰かしら横山さんの所に来ていると思い早めにお迎えに来ました」

読み通り、大倉さん、渋谷さん、丸山さんがリビングで雑魚寝していた。

「あー、亮とヤスはさっき帰ったで」

「横山さんは?」

そう聞くと、村上さんは奥の部屋を指差した。

「寝てるはず。
おい、すばるマル大倉起きろ。
帰るぞ」

「下に山田さんが待ってます。
送ってもらって下さい」

3人を叩き起こしている村上さんに声を掛ける。
私も山田さんも休みになっているが、今回は7人を見送りたい。
そう思いメンバーを迎えに来ていた。


「白元・・」

振り返ると村上さんの真剣な瞳。

「入るなら覚悟して入れ。
だいぶ吐かせたけどだいぶ溜め込んでたで、あいつ」

「・・休みをこの日に入れた時点で覚悟しています」

フッと笑みを浮かべると「そうか〜」と言って、村上さんは寝ぼけた3人を連れて部屋を出て行った。


覚悟はしていた。
生半可な気持ちで首を突っ込んだわけじゃない。
だけど、扉1つ隔てているのに半端なく緊張する。

起こすのにはまだ早いと思い、私は散らかった部屋を片付けた。
缶を捨て、洗い物を済ませる。

7時の新幹線。
そろそろ起こして身支度を済ませてもらわなければいけない。

私は、そこでやっとドアノブに手を伸ばした。







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