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俺らのマネは地味子さん。

第8章 FIVE





出て来た飯に驚いた。
メニューは和風。

ブリ大根、揚げ出し豆腐、味噌汁。

「これ、ほんまにすばるが作ったん?」

「作ったで!捌いたで!揚げたで!
めっちゃ、面白かったんや!!」

「で、こっちは何?」

「何って、焼きそばと親子丼とカレーや」

大倉の大好物ばかり。
相変わらず主食ばかりやなー。

「これもすばやんが作ったん?」

「まさか、すばるくんに頼むわけないやん」

大倉の言葉は俺はそっとブリ大根とカレーを交換した。

「あかん!あかん!
カレーは絶対にダメや!!」

「カレーはまだありますよ」

「じゃ、俺もカレーがええ」

「あかん!ヨコはブリ大根食え!
それ以外は食べたらあかん!!」

すばる・・
俺はまだ、死にとーない。

俺は、震える手で割り箸を掴み意を決した。
大根を一切れ、口に含む。

「あれ?」

「どーや!」

「旨い、普通に旨いで」

「やろー!
俺の得意料理やねん!」

何が得意料理や。
今日、初めて作ったくせに。

「カレーめちゃくちゃ美味い」

わいわいガヤガヤ楽しい食事が進んでいった。
マルが心配してたがそれほど酷い状態やないみたいやな。





食事もひと段落ついた頃。

「なー、今日どうやって来たん?」

「事務所の車で来ましたよ」

「明日、誰送り?」

「横山さん乗せて、村上さんの予定です」

「鍵貸してや」

キッチンで片付けする白元さんとすばる。
何気なし見ていた俺の手元に鍵が飛んで来た。

「おわっ!」

何や?!

「ヨコ、それでみんな送ってやれ」

「えっ?」

「私がみなさんを送りますよ」

「ええねん、俺がお前を送る。
で、ヨコ明日俺拾ってこいつんち行けばええやろ」

「あぁ、うん」

すばるに押し切られる形で頷いた。
だってな、ジーッとすばるの顔を見ると眉を寄せ 頼む って顔に書いてあんねん。

多分、白元さんと2人だけで何か話したいんやろう。
俺はそう思ったんや。

あぁ、すばるはまだや・・って。
すばるの悩みは解決してへんって気付いたんや。



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