第8章 FIVE
「それで電話切れたんですね」
「おん、そーらしいで」
雑誌記者に挨拶を済ませ、遅れて入って来たあずみちゃん。
「あずみちゃん、俺心配だからしぶやんの所行ってもええ?」
「無理です。
今からインタビュー入ってます」
ですよね・・
「・・なぁ、マルはいつから白元ちゃんの事、下の名前で呼んでんの?」
「あっ、それ俺も思った」
「昨日、あずみちゃんって呼ぼうと決めたんだけど?」
そんな事より、しぶやんの話しようやー
「・・マルがあずみちゃんって呼ぶのあかん」
「うん、妥協して さん 付けまでだね」
えっ?ダメなの?
っうか、何で2人怒ってるの?!
「・・あずみさん、しぶやんが心配なんよぅ」
反論したいが、やっぱり亮ちゃんは怖い。
黙って従う事にした。
まぁ、反論しても負けるのが目に見えてるしな・・
「引きこもりになりかけてると言う事ですか?」
引きこもりの事、知ってたん?
なら、話が早い。
俺は頷き、手を合わせあずみさんを拝む。
「頼む!俺が行けんなら、あずみさんが今すぐ行ってくれへん?」
あの様子のしぶやんを1人にしたくない。
「私は構いませんが・・
今からですと新たにマネジャーを呼ぶのは難しいです。
インタビューとその後の移動と仕事、各自でって事になりますが大丈夫でしょうか?」
それって、行ってくれるって事か!
俺は、激しく頷いた。
「俺は構わんよー」
「うん、大丈夫」
2人とも賛成してくれた。
パァッと明るくなる亮ちゃんの顔は見てへん事にしょう。
「・・わかりました。
錦戸さん、くれぐれも間違った行動はしないで下さい」
「・・・わかってるわ」
流石、あずみさん・・
亮ちゃんの考え、よくわかってるわ・・・