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俺らのマネは地味子さん。

第8章 FIVE





ー錦戸sideー


「絶対イメージダウンや」

「そうか?」

「章ちゃんはいいねん。
男らしい姿のアピールになったやん」

でも、俺は何や。
あれ絶対にイメージダウン以外何にもなってへん。

「もう、バラエティーの仕事せん」

「そんな事ありませんよ」

嘘や、絶対嘘や。

運転する白元を睨む様に見つめると、バックミラー越しに目が合った。

「錦戸亮のイメージは崩れたとしてもダウンにはなりませんよ」

それって・・
ええ事なん?
崩れるんやろ?あかんやろ?

「大丈夫やで、亮。
亮のイメージは1回底辺まで行ってんだからさ」

章ちゃん・・・

「おい、待て!
それのどこがフォローやねん!!」

あー、悪夢やわ。
あの悪夢の再来や・・

「あのドラマなら私も見ていましたよ」

えっ?

「DV男役ですよね。
あれは凄かったです」

確かにアレは、イメージダウンやった。
でも、おかげで俳優として大きな1歩になったドラマでもある。
演じる役の幅が広がったのは間違いない。

ドラマ見るんや・・
それも出会う前なのに俺の事見てくれてた。

こそばゆい様な妙な感覚や。
っうか、底辺って言っただけであの役が思い当たるんやな・・

あかん、何か嬉しい。



「同一人物とは思えません。
あの時の印象がある方だと今回のロケでの錦戸さんを見たら驚く事間違いないです」

「・・俺の演技どうだった?」

あの演技で賞を取った。
周りから認められたのはわかってる。

だけど、知りたかった。
こいつが俺の演技をどう思ったのかちゃんと聞きたかったんや。






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