第7章 FOUR
自分では、怖くて点せないしぶやん。
大人しく白元ちゃんに目薬を点してもらっていた。
さっきとは打って変わってニコニコなしぶやんにホッとため息が漏れる。
今日は、しぶやんのイライラの心配はしなくてええな。
「渋谷さん」
「何や?」
「学ぶまで教えて下さい。
絶対に物に出来るはずですから、私が保証します」
「・・おん」
わかってたのか。
山田から話を聞いていたのかもしれへんな。
「よろしくお願いします。
それに、くれぐれも今後は真っ直ぐ家に帰って下さい」
「!!!」
「「えっ?」」
点し終わった白元ちゃんは、ニッコリと笑う。
だが、その笑顔は怖い。
「・・まさか!?」
「そのまさかです」
「白元さん、それはっ!!」
慌てて止める山田を白元ちゃんは視線で制した。
「事務所は今回の事をメンバー、誰にも言わず無かった事にしました。
その考えを汲み取って下さい。
そして、山田の指示を尊重して下さい」
「・・すまん」
「はい、よろしくお願いします」
言葉が出なかった。
事務所のやり方にも
それを無視して事実をしぶやんに伝えた白元ちゃんにも。
「何でなん?
何ですばるくんに言うねん・・
事務所は隠すつもりやったんやろ?!」
「錦戸さん」
「ええねん、亮。
知らんといけんやろ。
知らんと俺はまた、同じ事繰り返すで」
すばやんの考えもよーわかる。
だけど、こーゆう事に1番弱いのはすばやんやで。
精神的に来る事を亮は、わかってねん。
事務所もそれをわかってる。
なのに、何で白元ちゃんは言ったん?
思惑がわからへん。