第7章 FOUR
ー安田sideー
遅れて信ちゃんが到着。
その後、暫くして怖い顔の亮が入って来た。
「あれ?白元ちゃんは?」
一緒に入って来るかと思ってたらいない。
「あ”ぁん?」
何っ?!
何でキレてんの?!
「亮どうした?」
「どうしたもこうしたもねぇ!
何なんアイツ!!四六時中俺の後追って。
キレてもビクともせんねんでっ!!」
「あ〜ぁ・・」
何の事かサッパリわからん。
わかったのは信ちゃんだけぽい。
怒りを止める事もせず、大きな音を立てて椅子に座る亮。
こんな状態にしぶやんが黙っているはずがなかった。
「なら、地味子こっちに戻せ」
「あぁ?地味子って・・
あいつの事かよ、いいぜ。清々するわっ」
睨む合う2人。
オロオロするしかない俺とマル。
そこへ、白元ちゃんが楽屋へ入って来た。
「おはようございます・・・」
只事じゃない雰囲気は、直ぐに伝わったのだろう。
俺らを見渡し、ため息を吐く白元ちゃん。
「山田さん、田所さんに渡してくれてありがとうございます」
えっ?
この空気無視?!
「・・白元、撮影の前にアレ欲しいねんけど」
「はい、目薬ですね。
点しますよ」
そう言って鞄から、渋谷と書かれた赤いケースを取り出す。
「えっ?待って!
何で白元ちゃんがそんなの持ってんの?」
「渋谷さんが自分で点せないからですけど・・
それに一応横山さんのもありますよ」
そう言って黒いケースを見せてくれた。
「えっ?何で俺の?」
「点したい時に限って忘れてるからです。
必要なかったですか?」
あーぁ、ヨコちょならあるな。
さっき話してたのはこれだ、これ。
欲しい物はほとんど出してくれる。
だから、すばやんは気に入ってるねん。
まぁ、俺もだけど。