第6章 THREE
「すみません、ツッコミ箇所は後々お二人で話し合って下さい。
話を戻させてもらいますが、NEWSのメンバーの方には錦戸さんの考えを聞いて
「あんたはどー思うん?」
「えっ?」
私の言葉を遮った錦戸さん。
意味を理解出来なかった。
怒ったかと思ったが表情は違う。
錦戸さんが怒る時は態度、そして言葉で表してくれる。
だが、今の錦戸さんは無表情。
初めて見せる顔だった。
「だから、俺の脱退は賛成なの?」
賛成かと聞かれたら答えは決まってる。
「事務所の考えやのーて、あんたの考えを教えて」
私は・・
「私は、NEWSの錦戸亮より関ジャニ∞の錦戸亮が好きです」
「!!」
「見学させてもらって、確信しました。
関ジャニ∞の錦戸亮がありのままの錦戸亮だと・・
私は、関ジャニメンバーに囲まれた錦戸亮が好きです」
明らかにさっきより驚いた表情の2人。
恥ずかしい事を言っているとは自覚している。
だけど、ちゃんと言わなきゃいけない。
そう思ったんだ。
「ええで」
「・・えっ?」
「だから、脱退の件ええよ。
っうか、NEWSのメンバーにも了解取れてる」
「・・」
意を決したつもりだった。
怒鳴られる覚悟だった。
なのに聞けば、錦戸は既に脱退の決意をしていたとの事。
NEWSのメンバーにも話をし、応援してくれるとの事。
どうやって切り出そうかと悩んでいたのに・・
「そうですか、良かったです」
そうとなれば話は早い。
後は、事務所側が動くだけ。
「脱退発表は仕事の関係上、秋ぐらいかと思いますのでそれまでは内密にお願いします」
「おん」
「後それから、今後錦戸さんのマネージャーは私が付きますのでよろしくお願いします」
「おん・・えっ?マジ?」
「はい、脱退話関係無く付く事になりました」
これも事務所の指示。
今まで山田が付いていたがそれじゃダメだと判断された。
本人には口外出来ないが、錦戸さんと山下さんを赤西さんから離せと御達しが出ている。
口が裂けても言えない事だった。