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俺らのマネは地味子さん。

第6章 THREE





「っうか、これ白元ちゃんが取って来たん?」

そう聞いてきた安田さんに小嶋さんが頷く。

「すげーっ!!」

ま、待って勘違いされたら困る!

「いえ、こちらに入社した時点で内々ですがお話は来ていたんです」

「だけど、それを確定させたのは白元なのは間違いないだろ?」

「・・そうですが、それが私の仕事ですし、何よりみなさんの努力の結果です」


確かに、苦労はした。
もう年末はいっぱいいっぱいだった。

正直、確定するなんて思いもしなかったのだ。


「白元、ありがとー」

ガバッと抱き着く大倉さん。
身長差のあまり、顔が押し潰される。

「あかん!大倉離れろ!」
「白元ちゃんが潰れとる!」

慌てて止めに来た安田さんに助け出された私。

「白元ちゃん・・今日やけに小さくない?」

「ほんまや!安田よりチビや!」

えっ?あぁ・・

「今日は、ヒール履いていないんです。
後から番組収録もあるし、色々駆けずり回る予定なので履いていません」

出来るだけ音が響くピンヒールを避けてはいるが出来るのなら身長を誤魔化したいのが本音。

「何センチ?」

「だいたい154ぐらいです」

微妙な背丈。
女の子の身長では、平均だ。

「お前、ヒールで誤魔化し過ぎやで」

渋谷さんの言葉に頷く事しか出来ない。

だって、仕事上どうしても身長が欲しかったのだ。

「しょうがないんです。
芸能界に関わらず、商談相手には嘗められたくありません」

「えっ?そんなもんか?」

「そうです。
身長に加えて、か・・」

「か?」

「・・それよりこれからより一層忙しくなります。
みなさん、今以上に気を引き締め問題等起こさないで下さい!」

そう言い切ると私は楽屋から逃げる様に飛び出した。











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